【エクセル初心者向け】データの入力規則を設定する方法。長さ、半角/全角、リストなどに制限!

エクセルのデータの入力規則でセルの値に制限を設定する方法

Excel(エクセル)を利用している際、セルに入力する値に制限を設けたいと思ったことはないでしょうか。

例えば、「500~1000の整数」「5桁以内」「半角のみ」「全角のみ」に制約したい、といった場合です。

こんな時に便利なのが、「データの入力規則」機能です。

今回は、エクセル初心者向けの入門編として、「データの入力規則」の使い方を紹介します。

「データの入力規則」とは?

その名前のとおり、「データの入力規則」とは、「セルに入力するデータに規則を設けて制限をかける機能」のことです。

セルに設定できる規則の内容は、主に以下のようなものがあります。

規則の内容

整数、小数点、値の範囲、文字の長さ、日付、時刻、リスト(プルダウン)、ユーザー設定(半角、全角など)

また、セルに入力する日本語入力モード(カタカナ、数字、英語など)を固定させることもできます。

規則に違反した入力でデータを確定しようとすると、「エラーメッセージ」を表示させることができます。

エラーメッセージは、「停止」「注意」「情報」の3つのスタイルがあり、それぞれ入力の制約の強さレベルが異なります。

エラーメッセージの種類

『停止』・・・強制的に修正を求められます。

『注意』・・・修正確定を求められます。

『情報』・・・エラーを知らせてくれるが、確定することが出来ます。

規則に外れた入力を行うと、エラースタイルによって以下のエラーメッセージが表示されます。

入力規則のエラーメッセージ
入力規則のエラーメッセージ

「データの入力規則」を設定する方法

「データの入力規則」を設定する画面を紹介します。

入力規則を設定したいセル範囲を選択して(図1)、「データ」タブの「データの入力規則」ボタンを押します(図2)。

入力規則を設定する方法
入力規則を設定する方法

「データの入力規則」画面が開きます。「Alt」⇒「A」⇒「V」⇒「V」の順番でキーを押しても、開くことが可能です。(ショートカットキーの利用 )

この画面上で規則やエラーメッセージなどの詳細なルールを設定し、セルのデータに制限を設けます。

入力規則の設定画面
入力規則の設定画面

「データの入力規則」画面の各タブで操作できる内容は、以下のとおりです。

各タブの説明

①設定・・・入力規則のルールを設定します。

②入力メッセージ・・・・入力時にメッセージを表示させることができます。

③エラーメッセージ・・・入力エラーのメッセージとコメントを設定します。

④日本語入力・・・・半角カタカナ、全角カタカナ、英数字など文字入力に規則を設定

「入力規則」の種類

「入力規則」の種類には、以下の8種類があります。

  規則        制限できる内容
1すべての値入力制限しない(デフォルト) 
2整数整数の入力のみを許可
3小数点数整数と小数の入力を許可する設定
4リスト入力できるデータをプルダウン(ドロップダウン)から選択
5日付 日付の入力のみ許可
6時刻時刻の入力のみ許可
7文字列(長さ指定)入力文字数を制限
8ユーザー設定数式を設定し、結果が「TRUE」(真)の場合のみ入力が許可

特に、ナンバー4の「リスト」はプルダウンリストを設定して、アンケートなどを利用する際によく利用されます。

プルダウンリストはドロップダウンリストともいい、セルの入力を選択式にします。

「入力規則」の使い方と事例

それぞれの「入力規則」の使い方と事例を紹介します。

詳細な使い方は、内部記事も貼り付けしているので、そちらも合わせて参考にしてください。

特に、「ユーザー設定」の規則は、半角のみ、全角のみ、重複の禁止など、さまざまな制約を設定できるのでおすすめです。

入力規則/「すべて」

セルに設定されているデフォルトの入力規則です。

値、時刻、整数などすべての入力を許可する規則です。

入力規則/「整数」「小数点数」

入力規則の「整数」は整数のみ、「小数点数」は整数と小数のみに制約する設定です。

表に数値のみを入力させたいときに、役立つ規則です。

数値の大きさの範囲も以下のメニューの中から設定することができます。

  • 次の値の間・・・ 例:「10~100」
  • 次の値の間以外・・・例:「~9」「101~」
  • 次の値に等しい・・・例:「100」
  • 次の値に等しくない・・・例:「~99」「101~」
  • 次の値より大きい・・・例:「101~」
  • 次の値より小さい・・・例:「~99」
  • 次の値以上・・・・・・例:「100~」
  • 次の値以下・・・・・・例:「~100」

対象のセル範囲を選択し、「データ」タブから「データの入力規則」画面を開いて、以下の画面ショットのように条件を設定します。

入力規則「整数」の最小値、最大値を設定
入力規則「整数」の最小値、最大値を設定

入力に違反した値を入力すると、「この値は、このセルに定義されているデータ入力規則の制限を満たしていません。」という停止メッセージが表示され、データの修正を強制されます。

停止のエラーメッセージ
停止のエラーメッセージ

整数、小数点の設定方法をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

入力規則/「リスト」(プルダウン)

セルに特定の文字だけを入力してもらいたい時に便利なのが、「プルダウン」(別名「ドロップダウン」)です。

入力規則の「リスト」を使用することで、プルダウンリストをセルに設定することができます。

手順1.プルダウン用のリストを作成

空いているワークシートにプルダウンで選択したいリストを作成します。

プルダウンに使用するリストを作成
プルダウンに使用するリストを作成

手順2.「データの入力規則」をクリック

プルダウンを設定したいセルをクリックしてから、「データ」タブの「データの入力規則」をクリックします。

手順3.「リスト」を選択

「データの入力規則」画面の「設定」タブを開き、入力の種類は「リスト」を選択します。次にリストの対象範囲を選択するために、元の値の「」ボタンをクリックします。

入力の種類は「リスト」を選択
入力の種類は「リスト」を選択

手順4.「プルダウンリスト」のセル範囲を選択

プルダウンに使うリストが入力されているワークシートをクリックして、対象リストのセル範囲を選択します。選択し終えたら、「データの入力規則」画面の「⇩」をクリックします。

プルダウンの対象リストを選択
プルダウンの対象リストを選択

手順5.「データの入力規則」画面を閉じる

「元の値」にリストにするセル範囲が入力されていることを確認し、「OK」で画面を閉じます。

「元の値」にリストのセル範囲が設定
「元の値」にリストのセル範囲が設定

手順6.プルダウンの設定が完了

セルをクリックすると、セル右下に「▼」マークが表示されてリストが表示されていれば完了です。必要に応じて、セルをコピペすれば、他のセルにも同じプルダウンを設定できます。

プルダウンの設定が完了
プルダウンの設定が完了

プルダウンを使った事例や応用テクニックは、他にもたくさんあります。以下の記事で、プルダウンについて詳しく紹介しているので、合わせて参考にしてください。

入力規則/「日付」「時刻」

入力規則の「日付」は日付のみ、「時刻」は時刻や時間のみに制約する設定です。

カレンダーやスケジュールを管理するときに、役立つ規則です。

日付や時刻の大きさの範囲も以下のメニューの中から設定することができます。

  • 次の値の間・・・ 例:「2025/2/1~2025/3/31」
  • 次の値の間以外・・・例:「~2025/1/31」「2025/4/1~」
  • 次の値に等しい・・・例:「2025/2/1」
  • 次の値に等しくない・・・例:「~2025/1/31」「2025/2/2~」
  • 次の値より大きい・・・例:「2025/2/2~」
  • 次の値より小さい・・・例:「~2025/1/31」
  • 次の値以上・・・・・・例:「2025/2/1~」
  • 次の値以下・・・・・・例:「~2025/2/1」

対象のセル範囲を選択し、「データ」タブから「データの入力規則」画面を開いて、以下の画面ショットのように条件を設定します。

入力規則で日付を条件にする方法
入力規則で日付を条件にする方法

入力規則を設定するセルは、「セルの書式設定」画面からセルの表示形式を「日付」に設定しておかないと、日付がシリアル値で表示されるので、注意してください。

入力規則/「文字列(長さ指定)」

入力規則の「文字列(長さ指定)」は、数値や文字などの文字列の長さを制限する規則です。

制約のかかったシステムへ取り込むためのデータを作成する際などに役立ちます。

「整数」「小数点数」と同様に、「~以上」「~以下」「~以上~未満」など条件を自在に設定できます。

入力規則で日付を条件にする方法

入力規則/「ユーザー設定」

入力規則の「ユーザー設定」は、数式を設定し、結果が「TRUE」(真)の場合のみ入力を許可します。

「ユーザー設定」に使用する数式のイメージが分かりづらいと思うので、数式の事例を3つ紹介します。

ユーザー設定の3つの事例

1.半角のみの入力に制約

2.全角のみの入力に制約

3.重複の入力に制約

1つ目は、「半角文字のみに制約」する数式です。

ユーザー設定の数式欄に以下の数式を挿入します。

=LEN(B3)=LENB(B3)

半角のみに制約する入力規則の使い方
半角のみに制約する入力規則の使い方

LEN関数は文字数をカウントする関数で、LENB関数はバイト数(全角は2、半角は1)をカウントする関数です。

そうすると、全角の「A」を入力しようとしても、以下のキャプチャのように、エラーメッセージが表示されます。

入力規則により全角の入力が禁止
入力規則により全角の入力が禁止

2つ目は、「全角文字のみに制約」する数式です。

ユーザー設定の数式欄に以下の数式を挿入します。

=LEN(B3)*2=LENB(B3) 

全角のみに制約する入力規則の使い方
全角のみに制約する入力規則の使い方

そうすると、半角の「1」を入力しようとしても、以下のキャプチャのように、エラーメッセージが表示されます。

入力規則により半角の入力が禁止
入力規則により半角の入力が禁止

3つ目は、「重複入力を制約」する数式です。

ユーザー設定の数式欄に以下のCOUNTIF関数を挿入します。規則を設定するセル範囲は、絶対参照で「$B$3:$B$8」と設定してください。

=COUNTIF($B$3:$B$8,B3)<=1

重複データに制約する入力規則の使い方
重複データに制約する入力規則の使い方

COUNTIF関数は、セル数をカウントする関数なので、その結果に対して「<=1」とすることで、同じ文字が2つ以上発生しないように制限をかけています。

その結果、同じデータをB列に入力しようとしても、以下のキャプチャのように、エラーメッセージが表示されます。

入力規則により重複データの入力が禁止
入力規則により重複データの入力が禁止

「入力規則」の使い方(メッセージ・日本語)

続いて、「入力規則」の「入力時メッセージ」「エラーメッセージ」「日本語入力」の使い方を紹介します。

入力規則/「入力時メッセージ」

入力規則の「入力時メッセージ」は、セルにカーソルを合わせた時に、自動で表示させることが出来るメッセージです。

「データの入力規則」画面の「入力時メッセージ」タブで設定します。

セル入力時に注意すべきことや、入力ルールなどを設定しておくと便利です。また、セルのメモより消しづらい点もメリットです。

入力規則で入力時メッセージを設定する方法
入力規則で入力時メッセージを設定する方法

入力規則/「エラーメッセージ」

入力規則の「エラーメッセージ」は、規則に反する入力を行った際に、表示させるメッセージのことです。

エラースタイルは、「停止」「注意」「情報」の3つのスタイルがあり、エラースタイルとメッセージを「入力時メッセージ」タブで設定します。

エラーメッセージの種類

『停止』・・・強制的に修正を求められます。

『注意』・・・修正確定を求められます。

『情報』・・・エラーを知らせてくれるが、確定することが出来ます。

「データの入力規則」画面で以下のスクリーンショットのように、メッセージを設定します。

入力規則でエラーメッセージを設定する方法
入力規則でエラーメッセージを設定する方法

そうすると、規則に反した入力を行った際に、設定したオリジナルのメッセージを表示することができます。

オリジナルのエラーメッセージ
オリジナルのエラーメッセージ

入力規則/「日本語入力」

入力規則の「日本語入力」タブを利用すると、入力する文字の種類に以下の制約を設定することができます。

文字の種類

オン、オフ(英語モード)、無効、ひらがな、全角カタカナ、半角カタカナ、全角英数字、半角英数字

「日本語入力」タブのIME日本語入力から、制限をかけたい文字の種類を選択します。

データの入力規則でIMEモードを制限する方法
データの入力規則でIMEモードを制限する方法

各列にそれぞれの種類の制限を設定すると、以下のようになります。

入力規則で日本語入力の制限をかけた結果
入力規則で日本語入力の制限をかけた結果

種類ごとに入力できる文字について、以下の内部記事で詳しく紹介しているので、合わせて参考にしてください。

「入力規則」のセルを検索する方法

「入力規則」を設定したセルは見た目では分かりません。

この見出しでは、「入力規則」のセルを検索する方法を紹介します。

まず、入力規則を探したいセル範囲を選択して、「ホーム」タブの「ジャンプ」ボタンを押します。

ジャンプ機能をクリック
ジャンプ機能をクリック

「ジャンプ」画面の右下の「セル選択」をクリックし、「選択オプション」画面の「入力規則(すべて)」にチェックを入れて、「OK」で画面を閉じます。

ジャンプ機能で入力規則セルを検索
ジャンプ機能で入力規則セルを検索

そうすると、下のスクリーンショットのように、B3~Bセルに入力規則が設定されていることが分かります。

入力規則セルの検索結果
入力規則セルの検索結果

入力規則の内容を知りたい場合は、「データ」タブの「データの入力規則」ボタンを開けば、設定している規則の条件を確認できます。

「入力規則」をクリアする方法

入力規則の設定をクリア(解除)する方法を3つ紹介します。

入力規則のクリアの方法

1.同じ入力規則が設定されている規則を解除

2.1つのセルだけを解除

3.ワークシートに設定されているすべての規則

パターン1.同じ入力規則を一括でクリア

複数のセルに設定された同じ入力規則を一括で解除する方法を紹介します。

手順1.「データの入力規則」をクリック

入力規則が設定されたセルを1つだけ選択してから、「データの入力規則」をクリックします。

手順2.「同じ入力規則が・・適用する」にチェック

「同じ入力規則が設定されたすべてのセルに変更を適用する」にチェックを入れると、同じ入力規則のセルが自動で選択されます。

セルを確認したら「すべてクリア」をクリックして「OK」で画面を閉じます。

同じ入力規則をすべてクリアする方法
同じ入力規則をすべてクリアする方法

手順3.入力規則の解除を確認

同じ入力規則が設定されていたすべてのセルの規則が解除されたことを確認出来れば完了です。

パターン2.1つのセルの入力規則をクリア

1つのセルだけ入力規則を解除する方法を紹介します。

手順1.「データの入力規則」をクリック

入力規則を消したいセルを1つ選択してから、「データの入力規則」をクリックします。

手順2.「同じ入力規則が・・適用する」にチェック

「同じ入力規則が設定されたすべてのセルに変更を適用する」にチェックが入っていないことを確認し、セルを確認したら「すべてクリア」をクリックして「OK」で画面を閉じます。

入力規則を1つだけクリアする方法
入力規則を1つだけクリアする方法

手順3.入力規則の解除を確認

セルの入力規則が解除されたことを確認出来れば完了です。

パターン3.ワークシートの入力規則をすべてクリア

ワークシートに設定されたすべての入力規則を一括で解除する方法を紹介します。

手順1.「データの入力規則」をクリック

A1セルの左上にある『すべて選択』ボタンをクリックして、すべてのセルを選択してから、「データの入力規則」をクリックします。

すべてのセルを選択後、「データの入力規則」をクリック
すべてのセルを選択後、「データの入力規則」をクリック

手順2.「削除し続けますか」で「OK」を選択

「選択範囲には複数の入力規則が設定されています。現在の設定を削除し、続けますか?」と表示されますので、「OK」をクリックします。

入力規則の注意コメント
入力規則の注意コメント

手順3.「すべてクリア」をクリック

「すべてクリア」をクリックしてから、「OK」で画面を閉じれば入力規則の解除は完了です。

すべての入力規則を解除する方法
すべての入力規則を解除する方法

手順4.入力規則の解除を確認

セルの入力規則が解除されたことを確認出来れば完了です。

「入力規則」をコピーする方法

「入力規則」が設定されたセルを他のセルにコピーする方法は紹介します。

対象のセルをコピーし、貼り付け先セルで右クリックメニューの「形式を選択して貼り付け」を開きます。

「形式を選択して貼り付け」画面が開くので、「入力規則」にチェックを入れて「OK」を押せば完了です。

入力規則のセルをコピーする方法
入力規則のセルをコピーする方法

対象のセルを「Ctrl+C」キーでコピーして、貼り付け先セルで「Ctrl+V」キーで貼り付けすることでも、入力規則はコピペできます。

「データ入力規則」と「条件付き書式」の違い

「データ入力規則」機能と「条件付き書式」機能の違いに悩まれる方もいるようです。

「データの入力規則」は、入力データに規則を設けて制限をかける機能です。

一方、「条件付き書式」は、入力データに合わせて書式を自動で変更する機能です。

書式は、「色」「罫線」「表示形式」「フォント」などのことを指します。

2つの違いに悩んだら、「入力を制限したいのか」それとも「書式を自動で変えたいのか」を意識して、2つの機能を使い分けてください。

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